ビジネスフォンとは、と聞かれると皆さまもイメージできると思います。では、クラウドフォンとは、と聞かれるとどうでしょうか?「クラウドとは何?」「ビジネスフォンと何が違うの?」と、クラウドフォンに疑問を持った方も多いはず。

実は今、ビジネスフォン界の新生として、新しい選択肢の1つとして”クラウドフォン”が注目を集めています。そこで、今回はクラウドフォンとは何か、メリットやデメリットはあるのか、選び方について詳しくご説明していきましょう。

また、クラウドフォンのおすすめサービスについても触れていますので、ぜひ選ぶ際の参考にしてみてください。

クラウドフォンとは

クラウドフォンとはを説明するには、まず”クラウド”について知る必要があります。

クラウドとは登場して間もない言葉で、定義としてはまだ曖昧な状態。あえてクラウドとはと説明するのなら、”クラウドとは利用者が物理的なシステムを持たなくても、インターネットから必要なサービスを受けられる”ための設計思想です。

つまり、クラウドフォンとは物理的なビジネスフォンと同等なサービスを、インターネットから受けられるというもの。インターネット(クラウド上)にシステムの大半を移管し、ビジネスフォンとしての設備を必要としないものと言えます。

クラウドフォンのメリットとは

クラウドフォンとはインターネットから受けられるサービスの一種とのことでした。「インターネットから受ける必要あるの?」と疑問に思った方も多いのでは?では、クラウドフォンのメリットとは何かについていくつか見ていきましょう。

工事の必要がない

まず、クラウドフォンのメリットとしては”工事の必要がない”ことが挙げられます。

というのも、先述した通り、クラウドフォンとはクラウド(インターネット)を利用したサービスの一種。主装置(構内交換機)のような、ビジネスフォンに欠かせない機能・設備の大半をインターネット上に移管したサービスです。

その為、通常のビジネスフォンのように主装置を設置して、大掛かりな配線をしてなどする必要がありません。インターネットに接続できる機器があればいいだけ。ビジネスフォンには欠かせない各種工事の手間・費用がかからない訳です。

スマホやパソコンでも使える

次に、クラウドフォンのメリットとしては”スマホやパソコンでも使える”ということも。

クラウドフォンはインターネットにつながってさえいれば”どこでも”使えることが魅力の1つ。対応する多機能電話機さえあれば、大きな手間もなく手軽に導入できます。また、接続する機器を多機能電話機に限らないのもポイントです。

つまり、クラウドフォンは多機能電話機だけでなく、スマホやパソコンなど。インターネットに接続できる通信機器であれば”どれでも”使えるということ。最近ではスマホをターゲットにしたアプリ型のクラウドフォンがあるほどです。

保守・管理の手間がない

次に、クラウドフォンのメリットとしては”保守・管理の手間がない”こともあります。

本来、ビジネスフォンを導入すると、主装置(構内交換機)を設置し自社で保守・管理する必要が。大規模事業者であれば専任のスタッフを配置し、中小規模事業者であれば専門業者に保守・管理を委託するのが一般的です。

その点、クラウドフォンとは主装置のように主要な設備・システムの大半をインターネット上に移管したもの。サービスの提供会社が一括して管理しているので、利用者側が保守・管理する必要もなく手間はほとんどかからないのです。

常に最新の状態を保てる

最後に、クラウドフォンのメリットとしては”常に最新の状態を保てる”というのも。

通常のビジネスフォンは主装置や多機能電話機など、ほぼすべてが物理的な設備なので設置した時点が最新です。その為、1年,2年と使っていくうちに設備としては古くなることに。どうしても”通信設備の老朽化”が進むことになります。

対して、クラウドフォンとは設備・システムの大半をインターネット上に移管したもの。開発会社(または、提供会社)がアップグレードするたび最新のものに切り替わります。定期的に最新のものに交換する必要がない訳です。

>>特徴的な8つを紹介!更に詳しいクラウドビジネスフォンのメリットはこちら!


クラウドフォンのデメリットとは

工事の必要も、保守・管理の手間もないとクラウドフォンはメリットばかりに思えるかもしれません。しかし、当然ながら知っておきたいデメリットもあります。では、クラウドフォンのデメリットとは何かについてご紹介しましょう。

セキュリティ面に不安がある

まず、クラウドフォンのデメリットとしては、”セキュリティ面に不安がある”と言えます。

クラウドフォンとはインターネット上にシステムの大半を移管したサービスのこと。利用者の情報もまたインターネット上(クラウド)に記録されています。万が一、サービスがハッキングされると、利用者の情報が流出する可能性が。

ビジネスフォンであれば自社で保守・管理できますが、クラウドフォンではサービスの提供会社に一任している状態です。提供会社のセキュリティが不十分だと、情報流出を防ぐために自社で対策するというのはできない訳です。

自由な拡張性はない

次に、クラウドフォンのデメリットとしては、”自由な拡張性はない”ことも挙げられます。

先述した通り、クラウドフォンではシステムの保守・管理の大半を提供会社に一任しています。あくまで提供会社が開発し、公開しているサービスを利用しているだけ。現時点ではビジネスフォンほどの拡張性、自由度はありません。

ビジネスフォンで連携できた機器も、クラウドフォンでは対応していないことも。通常の使い方の範疇であればいいとして、より専門的な業種には対応できないのです。目的に対応しているのか確認してから導入する必要があります。

海外物のサービスが多い

最後に、クラウドフォンのデメリットとしては、”海外物のサービスが多い”ということも。

ビジネスフォンとしては国内メーカーが主にサービスを提供しています。例えば、NTTやNEC、日立やパナソニックなど世界的に有名な電子機器メーカー。サクサ(saxa)や岩通といったビジネスフォンを中心に提供しているメーカーなど。

反面、クラウドフォンになると海外メーカーのものが大半で、国内メーカーのものはほとんどありません。クラウドフォン自体が最近のものなので仕方ないのでしょう。正直、海外メーカーがどう対応してくれるのか不安が残ります。

クラウドフォンとは

クラウドフォンの選び方とは

セキュリティ面の不安、拡張性の低さとデメリットはあるものの、クラウドフォンは十分に魅力的なサービスです。ただ、馴染みがないだけに選ぶのは難しいもの。そこで、クラウドフォンの選び方とは何かについてご説明しましょう。

管理画面の使いやすさ

ビジネスフォンとは異なり、クラウドフォンの管理画面はインターネット上にあります。

ビジネスフォンのように主装置を、多機能電話機を設定する必要はありません。クラウドフォンはほぼすべての設定を管理画面から操作するだけ。また、通話記録や利用料金なども確認でき、”管理面”では非常に便利です。

しかし、クラウドフォンによっては管理画面の使いやすさが低いものも。慣れていないと誤った設定をしたり、必要な機能を使えないこともあります。”利用者目線で設計されているのか”、はまずチェックしておきたいポイントです。

自社開発のシステムかどうか

クラウドフォンの提供会社には主に2つのパターンがあります。

  • 自社開発…自社で設計・開発したシステムを提供している
  • 他社開発…他社が設計・開発したシステムを提供している

先述した通り、クラウドフォンの多くは海外メーカーが設計・開発したもの。日本の提供会社の多くが海外メーカーものを契約し、そのまま提供しているだけです。中には、システムの中身をよく知らないまま提供している提供会社も。

システムの知識もなく、中身もよく知らないままでは問題が起こってもまず対処できません。まして利用者の目的に応じたカスタマイズは難しいでしょう。提供しているシステムが自社開発のものかは、確認しておかないとトラブルの素です。

他社システムと連携できるのか

クラウド自体は汎用性が高く、様々な機器・システムと連携ができます。

ただし、あくまで機器・システムに対応するよう設計・開発されたサービスであることが前提です。クラウドフォンに関しては他社システムと連携できるもの、できないものと二極化しています。できないものは、まったく対応していません。

特に、海外メーカーものや他社開発ものをそのまま使っている提供会社は、本来であれば可能なシステムとさえ連携させられないことも。何を目的に導入するのか、どのシステムとの連携を想定しているのか明確にして選ぶのが良いでしょう。

機能は充実しているのか

クラウドは設計・開発次第でシステムに多種多様な機能をつけることが可能です。

例えば、クラウドフォンでは通話履歴や通話内容などの全記録、各種情報を自動でグラフ化して”見える化”につなげるなど。インターネット(クラウド)を利用しているだけに、情報をひとまとめにして管理・整理しやすいのです。

しかし、あくまで可能なだけで、開発者側(または、提供会社)が機能を実装しているかは別です。便利機能がない上に、ビジネスフォンには当たり前の機能さえないことも。有料オプションになっていることもあり注意したいところです。

電話番号を引き継げるのか

ビジネスフォンに限らず、”電話番号”というのは会社の”顔”とも呼べる重要な情報です。

開業当初から同じ電話番号を、こだわりを持って使い続けている事業者も多いはず。移転のたびに番号が変わっていたのでは、顧客に知らせるのも大変です。あまりにも頻度が多いと、顧客の信用を落とすことにつながるかもしれません。

クラウドフォンには今まで使ってきた電話番号を引き継げるもの、引き継げないものが。引き継げるとしても、適応させるまでに1週間以上かかるものも。スムーズに移転するためにも、引き継ぎの流れまで確認しておくと安心です。

回線数を増やせるのか

事業というのは拡大、縮小することがあり必要な回線数も変化していきます。

ビジネスフォンに使われる電話回線には同時通話数(チャネル)が。使用する電話回線によって、契約できる同時通話数が2チャネルだったり10チャネルだったりと様々です。また、追加できる内線通話のチャネル数にも限りがあります。

反面、クラウドフォンはインターネット上のサービスなだけに、理論上は”無制限”にチャネル数を増やせます。ただし、増やせるチャネル数(回線数)についてはサービスの内容次第。あまり対応していないサービスもあり要注意です。

クラウドフォンのおすすめ【中小規模事業者向け】

使いやすさやセキュリティなどクラウドフォンのポイントをいくつか挙げたものの、実際に選ぶとなると難しいもの。そこで、まずは”中小規模事業者向け”としておすすめしたい、クラウドフォンのサービスを3つほどご紹介しましょう。

MOT/TEL(モッテル)

小規模オフィスをターゲットに設計・開発されたクラウドフォン。

スマホ(または、iPhone)であればアプリをダウンロードするだけ。従来の多機能電話機(IP電話機)にも、”MOT/TEL 転送アダプタ”を経由することで使えます。ビジネスフォンのような工事も必要なく、”設備投資は0”です。

  • スタンダード(10チャネル/20内線)…月額3,980円(初期費用29,800円)
  • ミドル(10チャネル/50内線)…月額6,500円(初期費用39,800円)
  • スタンダード(11チャネル以上/51以上100以下内線)…月額9,800円(初期費用59,800円)

また、スマホであれば携帯会社とMOT/TEL、2つの回線をアプリで切り替えが。会社からスマホを支給する必要もなく、社員の個人端末をそのまま利用できます。国内通話が8円/3分と、通常よりも割安設定なのも魅力的です。

MOT/TEL

ShaMo!(シャモ)

スマホアプリとして設計・開発されたクラウドフォンです。

完全にスマホ(または、iPhone)をターゲットにしているので、スマホアプリをダウンロードするだけ。スマホアプリなだけに基本料金1,500円と他のクラウドフォンに比べても安く。かつ10ユーザー以下で基本料金は永年無料に。

  • 従量プラン…月額900円/人(20円/30秒)
  • かけ放題プラン…月額3,600円/人(国内通話無料)

代表番号には登録している端末すべてで着信できる”一斉着信”、”転送機能”や”内線電話”などの基本機能も。また、専用の”社員内チャット”や時間外を知らせる”時間外アナウンス”など、ちょっとした便利機能も充実しています。

ShaMo!

BIZTEL ビジネスフォン

ビジネスフォン業界のパイオニア的存在として知られるクラウドフォン。

小規模(1ユーザー)から始められ、事業の拡大に合わせて1ユーザー単位に追加できる拡張性のあるサービスが特徴です。また、技術の蓄積があるサービスなので対応がスピーディーで、インターネットさえあれば最短5日で開始できます。

  • 座席課金(ユーザー)…月額15,000円/席(初期費用50,000円/席)
  • ライト…月額81,000円(初期費用200,000円)
  • スタンダード30…月額140,000円(初期費用450,000円)
  • スタンダード50…月額350,000円(初期費用850,000円)

初期費用、月額料金は高めですがその分だけ機能も、サービスも充実していて安心して選べます。管理画面も利用者目線で使いやすく設計され、通話履歴や課金状況、各種設定についてもインターネットから簡単に操作可能です。

BIZTEL

クラウドフォンのおすすめ【大規模事業者向け】

中小企業者向けのクラウドフォンは1ユーザーからや、スマホのみなど比較的小規模から始められるのが特徴でした。では、”大規模事業者向け”としておすすめしたい、クラウドフォンのサービスを3つほどご紹介しましょう。

Cyber IP-PBX(サイバー)

ひかり電話(Aやオフィスタイプ、オフィスAなど)との互換性の高いクラウドフォン。

ひかり電話サービスがあれば別途で工事する必要もなく、回線を直接収容してサービスを利用できます。また、インターネット上に管理画面を集約することで、複数のオフィス(支店)の情報をクラウド上での一元管理も可能です。

  • 座席課金…月額1,870円/席(初期費用は要確認)

初期費用は別途かかるものの、大規模事業者向けのクラウドフォンが1ユーザーあたり月額1,870円というのは十分にお得。また、国内データセンターを設置し、セキュリティや地震対策を万全にしているのも好感を持てます。

Cyber IP-PBX

Basix(ベイシクス)

専用の機器(saxa電話機)をインターネットにつなぐだけと、簡単に始められるクラウドフォン。

プロバイダーの指定もなく、契約しているどのインターネット回線からでも利用可能に。素人でも簡単に設置、増設できる設計なので安心して導入できます。また、サービス利用料金が”基本料金”と”通話料金”のみなのもポイントです。

  • 1台の場合…月額1,500円
  • 2台の場合…月額3,000円
  • 3台の場合…月額4,100円

※4台以上と大規模の契約も可能です。

Basix同士での通話はすべて無料に、固定電話も全国一律8円/3分と。アメリカ本土は5円/1分、中国は4円/1分と国際通話料も割安です。インターネット回線の接続サービスあるので、一緒に契約してしまうのも良いでしょう。

Basix

Arcstar Smart PBX(アークスター・スマート)

”NTT Communications”の提供するクラウドフォンです。

”IP電話サーバー”により、多機能電話機だけでなくパソコンやスマホでも発着信をできるようにしたクラウドフォン。インターネット回線だけでなく、NTTの閉域網(Arcstar Universal One)からでも各サービスを使うことができます。

  • 基本プラン…月額5,000円(初期費用10,000円)
  • オプション…月額5,000円(10チャネルごと)

日本最大手の通信事業者”NTT”が提供しているだけにサービスの質、セキュリティは高くて安心です。また、最長10日間の”無料トライアル”も実施中。一部サービスのみの限定トライアルですが、契約前にチェックできるのは助かります。

Arcstar Smart PBX

クラウドフォンとは

クラウドフォンとはビジネスの新たな選択肢

今回は、クラウドフォンとは何か?についてまとめてみました。クラウドとは”利用者が物理的なシステムを持たなくても、インターネットから必要なサービスを受けられる”もの。インターネット上に設備・システムを移管した状態です。

つまり、クラウドフォンとは、通常のビジネスフォンに必要な主装置などの設備・システムをインターネット上に移管したサービスのこと。インターネット上に設備・システムがあることにより、様々なメリット・デメリットが考えられます。

クラウドフォンのメリットは4つ。

  • 工事の必要がない
  • スマホやパソコンでも使える
  • 保守・管理の手間がない
  • 常に最新の状態を保てる

特に、会社として設備、システムを保守・管理する必要がなく、かつ常に最新の状態を保てるというのは魅力的。これまで大規模事業者でしか実践の難しかった、大規模な導入もクラウドであれば小規模事業者から可能なのです。

反対に、クラウドフォンのデメリットは3つ。

  • セキュリティ面に不安がある
  • 自由な拡張性はない
  • 海外物のサービスが多い

ただし、クラウドフォンはまだ日本に広まりだしたばかりのサービス。国内での導入事例も少なく、開発会社や提供会社もあまりありません。海外物をそのまま提供しているサービスもあり、注意しておかないとトラブルの素です。

メリット・デメリットはありますが、IoT(もののインターネット)が進む現代においてクラウドフォンはより広まるはず。ぜひ、紹介した内容を参考にし、”より便利・よりお得・より安心”なクラウドフォンを導入してみてください。